Japanische Klassiker mit Furigana
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とけいのないむら
時計のない村
小川 未明
Lesen Sie 時計のない村 (とけいのないむら) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.709 Zeichen · 8 Bildschirme
そうかといって、いままで、争っていた甲のほうへいって、時間をきくのも恥と感じましたから、
「俺たちには、もう時間がないのだ。」といって、村の相談があっても、時刻がつねにまとまりませんでした。
甲の組は、さすがに、自分たちのほうの時計は狂わない正しい時計だと、いよいよその時計のありがたみを感じたわけです。こうなれば、乙の組のものも、こちらにしたがわなければならぬと思っていました。それで、相談があるときは、
「午後六時より。」というように、時間を定めて、乙のほうへ通知をいたしました。けれど、時計を持たなくなった乙のほうは、六時がいつであるかわかりません。こんなことで、いつも相談が、はかどりませんでした。
時計が二つあったときよりも、一つになったときのほうが、村のまとまりがつかなくなったのです。甲のほうも、案外乙のほうが自分たちに従ってこないのを知ると、困ってしまったのです。
「町へいって、時計を直してこなければならない。」と、乙のほうの一人がいいました。
「直したってしかたがない。壊れるような時計は、もう信用することができない。」と、他の一人がいいました。