Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゃっこう
晩年
Lesen Sie 晩年 (ぎゃっこう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.459 Zeichen · 91 Bildschirme
三晩つづけてここで雲呑を食べるのである。そこのあるじは、支那のひとであって、女の子を一人並の客として取扱った。彼女にはそれが嬉しかったのである。
あるじは、雲呑の皮を巻きながら尋ねた。
「売レマシタカ」
眼をまるくして答えた。
「イイエ。……カエリマス」
この言葉が、あるじの胸を打った。帰国するのだ。きっとそうだ、と美しく禿げた頭を二三度かるく振った。自分のふるさとを思いつつ釜から雲呑の実を掬っていた。
「コレ、チガイマス」
あるじから受け取った雲呑の黄色い鉢を覗いて、女の子が当惑そうに呟いた。
「カマイマセン。チャシュウワンタン。ワタシノゴチソウデス」
あるじは固くなって言った。
雲呑は十銭であるが、叉焼雲呑は二十銭なのである。
女の子は暫くもじもじしていたが、やがて、雲呑の小鉢を下へ置き、肘のなかの花束からおおきい蕾のついた草花を一本引き抜いて、差しだした。くれてやるというのである。
彼女がその屋台を出て、電車の停留場へ行く途中、しなびかかった悪い花を三人のひとに手渡したことをちくちく後悔しだした。突然、道ばたにしゃがみ込んだ。胸に十字を切って、わけの判らぬ言葉でもって