Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばんしゅう
晩秋
山本 周五郎
Lesen Sie 晩秋 (ばんしゅう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.792 Zeichen · 23 Bildschirme
……警護の人々は十四、五人いた、乗物はじかに玄関へかつぎ入れられた、すべてはひっそりと然も手ばしこく行われ、声を立てる者もなく咳ひとつ聞えなかった。都留は自分の部屋に坐って、昂ぶってくる心を抑えながらじっと耳を澄ましていたが、僅かに人の出入りするけはいと、憚るような衣摺れの音を聞いたばかりだった、そしてやがて、二人の人間の足音が、廊下を通って奥の間へはいった。
都留はそっと座を立ち、手文庫の中から懐剣をとり出した。母の遺愛の品である。都留はそれを両手でしかと握りしめた。そして囁くように、「父上さま」と呼びかけた、「……いよいよ時がまいりました、どうぞ都留の致すことを見ていて下さいまし、そして仕損じのないように力をおつけ下さいまし」こう云って暫く眼を閉じていたが、すぐに懐剣をふところへ差入れながら立った、奥の間で自分を呼ぶ鈴の音がしたからである。――しっかりしなくてはいけない、都留は大きく息をつきながら自分を戒めた、――その時のくるまでは、決して自分の意志を悟られないようにしなければ。
その室には水野外記がいて、敷居際に手をついた都留を進藤主計にひきあわせた、「この者がお手まわりの御用を勤めます、名は都留と申します」