Japanische Klassiker mit Furigana
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こよみ
暦
壺井 栄
Lesen Sie 暦 (こよみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.332 Zeichen · 112 Bildschirme
「あ、そのことでしたら私はもう結婚はしませんから」
と、ろくに話も聞かずに鼻先をへし折ることさえある。実枝が気をもみ、
「姉やんのように考えたら嫁さんに死なれた男は皆悪人ということにならあ、もっと考えようがあろうがいの」
「いいや、誰が何といおうとも嫁にはゆかんのじゃ、うちは男に養うてもらわいでも、みんごと食うてゆけるさかいな」
「ほんなら姉ちゃん、男に養うてもらうために嫁にゆくんかいや、誰でも」
「そうじゃ」
「ふうん」
お互にむらむらとした顔つきで黙り合う。
姉妹二人暮しの中で職業を持つクニ子に代って一家の主婦の役目を負わされている実枝はいわゆる世間というものをクニ子よりは知っていた。それに比べると文字どおり十年一日七つ八つの子供を相手に暮しているクニ子は単純で好人物なくせに、融通のきかないような一面をもっていた。世間の人はなぜクニ子さんは嫁に行かないのかと実枝にたずねる。そのたびに実枝は辛かったり、悲しかったりする。結婚生活というものが仕合せで通せるものかどうかそれは分らない。しかしクニ子のように再婚だから不幸だとか、その不幸が皆男のせいであるような考え方は実枝にはできなかった。