Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きょくていばきん
曲亭馬琴
邦枝 完二
Lesen Sie 曲亭馬琴 (きょくていばきん) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.788 Zeichen · 24 Bildschirme
負け嫌いのくせに、本を漁ろう考えもなく、ただ酒ばかり飲んで、月日を後へ送ってる。同じくらいの年恰好でも、馬琴とは天地の相違だ。可哀想だが、ちと腹を立てさせた方が、後々の為めにもなるだろう。つまらねえ心配はやめにして、鬢の乱れでも直すがいいわな」
京伝はことさら弱気を見せまいと、何気なくお菊にいいおいて、独り四畳半の書斎へ這入って行った。
(理太郎はわるきたましいにいざなはれ、よしはらへ来り、すけんぶつにてかへらんと思ひしが、仲の町の夕けしきをみてより、いよ/\わるたましいに気をうばはれ、とある茶屋をたのみて三浦屋のあやし野といふ女郎をあげてあそびけるが、たちまちたましいてんじやうへとんで、かへることをわすれ、さらに正気はなかりけり)
草稿は、ここで筆が止っていた。
机の前へ坐った京伝は、いきなり筆を把って、直ぐその先の文句を綴ろうとしたが、前の二三行を読み返しているうちに、雨雲のように、あとからあとからと頭に湧いて来るのは、黄表紙の文句ではなくて、今し方、腹立ちまぎれに出て行った、弟京山の身の上だった。
いつとはなしに、曲りくねった根性に育って来た京山を思う時、常に京伝の胸に浮ぶのは、はじめて父母と共に、この銀座二丁目に移った、その翌年の正月の出来事に外ならなかった。