Japanische Klassiker mit Furigana
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きょくていばきん
曲亭馬琴
邦枝 完二
Lesen Sie 曲亭馬琴 (きょくていばきん) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.788 Zeichen · 24 Bildschirme
「そんな気永に、待っていられるかい。それに第一、おめえを嫌いなゝア、兄貴じゃなくっておいらなんだ」
「これは面白い。では京伝先生は、別に何も仰しゃったという訳じゃございませんので。……」
「兄貴がいおうがいうめえが、おいらがいやならおんなじこった」
「どういたしまし。それア飛んだ御料簡違いでございましょう。わたくしは、何もお前さんの門弟になりたいとは、夢にもお願いした覚えはありアしません。京伝先生のお弟子にして頂きたいのがかねてからの心願でございました。こりゃアいくらお屠蘇の加減でも、つまらない見当違いの矢を、向けておいでなさいましたな。まったくそんな御用なら、上って頂くにも及びますまい。どうかさっさとお帰んなすっておくんなさいまし」
「帰れといわれなくっても、誰がこんな薄汚ねえ家に、いつまでいられるかい。――土産のしるしだ取ってきねえ」
京山はこういって、蜜柑箱に一杯詰めた馬糞を馬琴の膝許へ叩き付けるが否や、如何にもさばさばしたように笑いながら、一目散に、路地の入口へ走って行った。
座敷一杯に散らばった馬糞を、暫し黙って見詰めていた馬琴は、突然、今までにないような愉快な声を揚げて、わッはッはと笑いこけた。