Japanische Klassiker mit Furigana
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かけないたんていしょうせつ
書けない探偵小説
夢野 久作
Lesen Sie 書けない探偵小説 (かけないたんていしょうせつ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.117 Zeichen · 5 Bildschirme
素晴らしい探偵小説が書きたい。
ピカピカ光る太陽の下を傲華な流線スターがスウーと横切る。その中に色眼鏡をかけて済まし返っているスゴイような丸髷美人の横顔が、ハッキリと網膜に焼付いたまま遠ざかる。アトからガソリンの臭いと、たまらない屍臭とがゴッチャになってムウとするほど鼻を撲つ。
……ハテナ……今のは、お化粧をした死骸じゃなかったか知らん……。
と思うトタンに胸がドキンドキンとする。背中一面にゾーッと冷たくなる。ソンナ探偵小説が書きたい。
美人を絞殺して空屋の天井に吊しておく。
その空屋の借手がないために、屍体がいつまでもいつまでも発見されないでいる。
タマラなくなった犯人が、素人探偵を装って屍体を発見する。警察に報告して、驚くべき明察を以て自分の犯行の経路を発く。結局、何月何日の何時何分頃、何ホテルの第何号室に投宿する何某という男が真犯人だと警官に予告し、自分自身がその名前で、その時刻に、その室に泊る。その一室で警官に猛烈な抵抗を試みた揚句、致命傷を受けて倒れる。万歳を三唱して死ぬ。ソンナ探偵小説が書きたい。
或る殺人狂の極悪犯人が、或る名探偵の存在を恐れて是非とも殺して終おうとする。