Japanische Klassiker mit Furigana
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つきのせかいたんけんき
月世界探険記
海野 十三
Lesen Sie 月世界探険記 (つきのせかいたんけんき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.351 Zeichen · 29 Bildschirme
「あッ、誰かこっちへ来る。月の世界の生物じゃないかしら」
進少年の発した愕きの言葉に、一行ははっとして、荒涼たる砂漠の上に足を停めた。
絶望
「――ああ、何のことだ、あれは月の世界の生物でなくて、地球の生物で、あれは飛行士の猿田君なんですよ」
と、艇長は双眼鏡を眼から外していった。
「まあ猿田さんが……。どうしたんでしょう」
なおも進んでゆくと、果して前方から、猿田飛行士が大ニコニコ顔で近づいてきた。
「オイどうした。なにか階段のある穴のところまで行ったかネ」
「ああ行って来ましたよ。素晴らしいところです。私は道傍で、こんな黄金の塊を拾った。まだ沢山落ちているが、とても拾いつくせやしません。早く行ってごらんなさい」
そういいすてると、彼は歩調もゆるめず、大きなマスクの頭をふりたてて、ドンドン元来た道に引返していった。
「あの男、あんなに急いで帰って、どうするつもりなんでしょう。変ですわネ」
と、ミドリは不安そうに、遠去かりゆく猿田の後姿をふりかえった。
「あの黄金の塊を艇の中に置いて、また引返して来て拾うつもりなんですよ。……いやそう慾ばっても、そんなに積ませやしませんよ。