Japanische Klassiker mit Furigana
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あさやけ
朝やけ
豊島 与志雄
Lesen Sie 朝やけ (あさやけ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.795 Zeichen · 24 Bildschirme
雇いの小女はもう先刻帰っていってる。
中野は煙草に火をつけて、それから言った。
「トランプを貸してよ。」
「どうするの。」と喜久子は尋ねた。
「あれをしてみるのよ。」
「じゃあ、やってごらんなさい。」
なにか二人だけの約束事らしい。
中野はトランプを並べた。円形に時計の文字盤通りに、四枚ずつ十二ヶ所、そして中央に一ヶ所、その中央からめくり初めて、出た数字のところへ移ってゆく。時計占いだ。彼は器用な指先で札をめくってゆく。中央のキングが四枚揃って開いたところで、調べてみると、七時のところに一枚だけふさったのが残っていた。
「それごらんなさい。」と喜久子は言った。「一杯だけよ。どっちにするの。」
「いいえ、お酒はもうたくさん。……それよりか、まったくふしぎよ。」
ふしぎというのは、七時のところにだけ一枚残ったことだった。彼が言うには、この頃、毎日続けて朝の七時に夢をみる。へんな夢をみる。それが気になっていたところへ、トランプがまたそれを示した。
「マダムも、七時に夢をみるでしょう。」
「七時頃、夢なんかみないわよ。」
「でも、今にきっとみるようになってよ。」
「どうして。