Japanische Klassiker mit Furigana
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あさがおぞうし
朝顔草紙
山本 周五郎
Lesen Sie 朝顔草紙 (あさがおぞうし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.019 Zeichen · 29 Bildschirme
とその時である。乳母のかねがいきなり、
「お待ち下さいませ」と堪りかねたように叫んだ、「もうわたくしは我慢が出来ませぬ、お嬢さま、どうか本当の事をお話し遊ばせ」「これ何を申すか!」「いえ、いえ申します、余りと云えば情の強い、位牌を生涯の妻にするとまで仰せられた、信太郎さまのお言葉が貴女には聞えませぬか、なんぼうお気丈な貴女でもそれでは余り恐ろしゅうござります。安倍の若様、今こそお打明け申しまする、貴方のお持ち遊ばした位牌は小雪と云われる旦那さまの姪御のもの、これにおいでなさるのが真の文絵さまでござりまする」
遮る暇もなく、咽びながら一気に叫び終るのを聞いて、信太郎は雷に撃たれたようにそこへ立竦んだ。
「信太郎、赦して呉れ」監物が云った、「かねの申す通り、これが――文絵じゃ、今まで欺いていた罪を赦して呉れ」「何故、何故またさような」「十五年以前の約束を守って、遙々来て呉れたおまえに対して、盲いた娘をこれが文絵だと云うことが出来ようか。出来なかった、わしには出来なかったのだ」
小雪は、否、文絵は、袖で面を蔽いながら泣き伏した。
「文絵どの、お仕度をなさい」