Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

すだま

木魂

夢野 久作

Lesen Sie 木魂 (すだま) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.668 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

その頭を絞るように彼は、薄い眉をグット引寄せながら、爪先に粘り付いている赤い泥を凝視めた。

……おかしいぞ。今朝は俺の頭がヨッポドどうかしているらしいぞ……。

……俺は今朝、あの枯木林の中の亜鉛葺の一軒屋の中で、いつもの通りに自炊の後始末をして、野良犬が這入らないようにチャント戸締りをして、ここまで出かけて来たことは来たに相違ないのだが、しかし、それから今までの間じゅう、俺は何を考えていたのだろう。……何か知らトテモ重大な問題を一生懸命に考え詰めながら、ここまで来たような気もするが……おかしいな。今となってみるとその重大な問題の内容を一つも思い出せなくなっている……。

……おかしい……おかしい……。何にしても今朝はアタマが変テコだ。こんな調子では又、午後の時間に居眠りをして、無邪気な生徒たちに笑われるかも知れないぞ……。

彼はそんな事を取越苦労しいしい上衣の内ポケットから大きな銀時計を出してみると、七時四十分キッカリになっていた。

彼はその8の処に固まり合っている二本の針と、チッチッチッチッと廻転している秒針とを無意識にジーッと見比べていた……が……やがて如何にも淋しそうな……自分自身を嘲るような微苦笑を、度の強い近眼鏡の下に痙攣させた。