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Japanische Klassiker mit Furigana

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すだま

木魂

夢野 久作

Lesen Sie 木魂 (すだま) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.668 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

こうした彼の不正直さが根こそげ曝露する時機が来た。しかし後から考えるとその時の出来事が、後に彼の愛児を惨死させた間接の……イヤ……直接の原因になっているとしか思われない、意外千万の出来事が起って、非常な打撃を彼に与えたのであった。

それはやはり去年の正月の大寒中で、妻の三七日が済んだ翌る日の事であったが…………………………………………。

……ここまで考え続けて来た彼は、チョット鞄を抱え直しながら、もう一度そこいらをキョロキョロと見まわした。

そこは線路が、この辺一帯を蔽うている涯てしもない雑木林の間の空地に出てから間もない処に在る小川の暗渠の上で、殆んど干上りかかった鉄気水の流れが、枯葦の間の処々にトラホームの瞳に似た微かな光りを放っていた。その暗渠の上を通り越すと彼は、いつの間にか線路の上に歩み出している彼自身を怪しみもせずに、今まで考え続けて来た彼自身の過去の記憶を今一度、シンシンと泌み渡る頭の痛みと重ね合わせて、チラチラと思い出しつづけたのであった。

そのチラチラの中には純粋な彼自身の主観もあれば、彼の想像から来た彼自身に対する客観もあった。