Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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すだま

木魂

夢野 久作

Lesen Sie 木魂 (すだま) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.668 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

と思いつつ、別に悲しいという気もしないまま、生ぬるい涙をあとからあとから流しているばかりであった。

それからもう一つその翌る日のこと……かどうかよくわからないが、ウッスリ眼を醒ました彼は囁やくような声で話し合っている女の声をツイ枕元の近くで聞いた。ちょうどラムプの芯が極度に小さくして在ったので、そこが自分の家であったかどうかすら判然しなかったが、多分介抱のために付添っていた、近くの部落のお神さん達か何かであったろう。

「……ホンニまあ。坊ちゃんは、ちょうどあの堀割のまん中の信号の下でなあ……」

「……マアなあ……お父さんの病気が気にかかったかしてなあ……先生に隠れて鉄道づたいに近道さっしやったもんじゃろうて皆云い御座るげなが……」

「……まあ。可愛そうになあ……。あの雨風の中になあ……」

「それでなあ。とうとう坊ちゃんの顔はお父さんに見せずに火葬してしまうたて、なあ……」

「……何という、むごい事かいなあ……」

「そんでなあ……先生が寝付かっしゃってから、このかた毎日坊ちゃんに御飯をば喰べさせよった学校の小使いの婆さんがなあ。代られるもんなら代ろうがて云うてなあ。