Japanische Klassiker mit Furigana
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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
Lesen Sie 未来の地下戦車長 (みらいのちかせんしゃちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.930 Zeichen · 85 Bildschirme
彼は、ふと、窓のそばによった。凍りついたつめたい窓硝子の向こうに、今、真赤な月がのぼりつつあった。
ああ、月がのぼる。
「月を見ると、思い出すなあ」
と、岡部伍長は、ふと、ひとりごとをいった。
「ゴルフ場ともしらず、三十頭のもぐらを放して、もぐらが土を掘るところを研究したあの夜、あの月を見たなあ」
もぐら事件のことを思うと、たのしいやら、おかしいやらであった。
彼は、あのだだっぴろいうつくしい大草原が、ゴルフ場だとは、気がつかなかったのであった。ゴルフ場と知ったら、もちろん、もぐらを放つような、そんならんぼうなことをやらなかったろう。それがゴルフ場だとわかったのは、あの事件が、新聞に出てからのことであった。
その新聞記事というのが、ふるっていた。
“○○ゴルフ場の怪事件、某国落下傘隊の仕業か、多数のもぐらを降下さす”
彼には、すっかりわけがわかっていたからこの新聞記事を読んでいるうちに、ふきだしてしまった。
だが……。
あのゴルフ場の番人が、真夜中になって、クラブハウスの窓から、はるか向こうのゴルフ場の一隅に、怪火がゆらぎ(これは一郎のもっていた懐中電灯のことだ)それから朝になっていってみると、約百頭のもぐらが、折角手入れしてあったゴルフ場のフェアウェイを、めちゃめちゃに掘りかえしてあったというのだ。