Japanische Klassiker mit Furigana
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
Lesen Sie 本所松坂町 (ほんじょまつざかちょう) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.622 Zeichen · 55 Bildschirme
内匠頭はこのときも長裃にすべきか烏帽子に大紋にすべきかについて上野介に意見を求めた。すると長裃でよろしかろうという返事なので一応そのようにとりきめたものの、度重なる前例もあることである。またしても上野介の策謀にひっかかるのではないかという気がしたので、浅野家の重役一同相談の上、いざというときの用意をして、長裃で登場してみると果せるかな、列席の諸大名はじめ同僚の接待役一人として長裃をつけているものはない。ああ、またたばかられたかと、此処に内匠頭の憤りはついに最後的な段階に達した。すぐさま高家の控室へ出かけていって上野介に詰めよると、彼は空とぼけた態度で憎々しげにうそぶいた。
「ああそうでござったか、これは失礼を申上げた。そのような筈ではなかったが、何しろ近頃耳も遠く、もうろくのせいか間ちがいばかり起して相すまぬ」
上野介に対して信をうしなっている内匠頭が再三再四彼の指揮を仰ぎにいったということも納得のできぬはなしであるが、それよりも恒例の儀式について一切合財、上野介に聴かねばならぬという道理はあるまい。それも田舎からはじめて出てきた大名が饗応役の内匠頭に伺いを立てるということならわかっているが、参列の諸侯ことごとく一定した服装をしなければならぬという壮麗な儀式に、モーニングにすべきか、羽織袴にすべきかという