Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅにっき

朱日記

泉 鏡花

Lesen Sie 朱日記 (しゅにっき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.583 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

ちょっとでも生徒の耳に入ろうものなら、壁を打抜く騒動だろう。

もうな、火事と、聞くと頭から、ぐらぐらと胸へ響いた。

騒がぬ顔して、皆には、宮浜が急に病気になったから今手当をして来る。かねて言う通り静にしているように、と言聞かしておいて、精々落着いて、まず、あの児をこの控所へ連れ出して来たんだ。

処で、気を静めて、と思うが、何分、この風が、時々、かっと赤くなったり、黒くなったりする。な源助どうだ。こりゃ。」

と云う時、言葉が途切れた。二人とも目を据えて瞻るばかり、一時、屋根を取って挫ぐがごとく吹き撲る。

「気が騒いでならんが。」

と雑所は、しっかと腕組をして、椅子の凭りに、背中を摺着けるばかり、びたりと構えて、

「よく、宮浜に聞いた処が、本人にも何だか分らん、姉さんというのが見知らぬ女で、何も自分の姉という意味では無いとよ。

はじめて逢ったのかと、尋ねる、とそうではない。この七日ばかり前だそうだ。

授業が済んで帰るとなる、大勢列を造って、それな、門まで出る。足並を正さして、私が一二と送り出す……

すると、この頃塗直した、あの蒼い門の柱の裏に、袖口を口へ当てて、小児の事で形は知らん。