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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅにっき

朱日記

泉 鏡花

Lesen Sie 朱日記 (しゅにっき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.583 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

日の暮れようという、そちこち、暗くなった山道だ。」

「山道の夢でござりまするな。」

「否、実際山を歩行いたんだ。それ、日曜さ、昨日は――源助、お前は自から得ている。私は本と首引きだが、本草が好物でな、知ってる通り。で、昨日ちと山を奥まで入った。つい浮々と谷々へ釣込まれて。

こりゃ途中で暗くならなければ可いが、と山の陰がちと憂慮われるような日ざしになった。それから急いで引返したのよ。」

四

「山時分じゃないから人ッ子に逢わず。また茸狩にだって、あんなに奥まで行くものはない。随分路でもない処を潜ったからな。三ツばかり谷へ下りては攀上り、下りては攀上りした時は、ちと心細くなった。昨夜は野宿かと思ったぞ。

でもな、秋とは違って、日の入が遅いから、まあ、可かった。やっと旧道に繞って出たのよ。

今日とは違った嘘のような上天気で、風なんか薬にしたくもなかったが、薄着で出たから晩方は寒い。それでも汗の出るまで、脚絆掛で、すたすた来ると、幽に城が見えて来た。城の方にな、可厭な色の雲が出ていたには出ていたよ――この風になったんだろう。

その内に、物見の松の梢の尖が目に着いた。