Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ザボンのはなのさくころ
杉田久女随筆集
杉田 久女
Lesen Sie 杉田久女随筆集 (ザボンのはなのさくころ) von 杉田 久女 (すぎたひさじょ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.008 Zeichen · 31 Bildschirme
もう何の怖ろしさもなくいつものような澄みきった心境で深山の大気を自由に呼吸することが出来た。
絶頂にたどりつくと、禰宜が出てきて、「よくお孤りでお登りでしたね。あなたで今日は朝から十人目です」という。神前にはまだ四五枚の紅葉が残っていたが、見渡す谷も南岳も北岳も悉く枯木の眺めとなってその上に、灰色の初冬の山々がつらなり遥かに九州アルプスの盟主久住が初雪をかぶってそびえているのを見出した時、私の心は急にはちきれる程の嬉しさでおどり上った。禰宜は雲仙を指し阿蘇を教えてくれた。お台場の如き偉大なあその外輪山をその噴煙をはるかに英彦の絶頂からはじめて眺めえた時の喜び! そして根子岳も、霧島も全九州の名山を悉く今日こそはじめて完全に眺めえた興奮に、私の幽うつや不安は皆けし飛んでしまった。
上宮ではつい二三日前に初雪が降ったと、禰宜は私を霧囲いの傍の天水桶の辺につれていって残りの雪片をさし示した。
顔見知りの茶店の亭主は、すぐかまの下を焚き出した。ここから見る久住は一層すばらしい。私は禰宜さんと一緒にあつい番茶をすすり、六助餅をたべながら、霧氷の話をきいた。