Japanische Klassiker mit Furigana
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むらのせいこうしゃ
村の成功者
佐々木 邦
Lesen Sie 村の成功者 (むらのせいこうしゃ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.883 Zeichen · 84 Bildschirme
失敗率が多いぜ。これはこの辺の人が特に天空の圧迫に弱いからだと僕は確信している」
「はゝあ」
と卓造君は何うせ酔っ払い相手だ。諦めている。
「この地方はこの通り何方を向いても山がある。ところが東京へ行くと山が些っとも見えない。実に心細いぜ。初めの中は迚も変な気持がするよ、卓ちゃん」
「はゝあ」
「空に目印がないから、足元が始終フワ/\しているようで、落ちついて勉強が出来ない。何うしたってカッフェへ入り込むよ。あすこには目印がある」
「モダン・ガールの女給さん?」
と芸者が口を出した。
「然うさ。山の代りだ」
「山の代りなら遊女の方が手っ取り早いわ」
「それもあるんだ」
「芸者は何の代り?」
「睦さん、もう帰りましょう」
と卓造君は片膝を立てた。
「まあ/\、待ち給え。君は目印をカッフェの女給につけちゃいけない。山が見えなくて心細いと思ったら、直ぐに学問につけるんだね」
「分っています」
「僕も然うすれば立派に卒業しているんだが、遺伝だから仕方がない。田川家は代々東京へ行って失敗している。僕で三代目だ。卓ちゃん、君はお祖父さんが邏卒になった話を聞いているかい?」
「いゝえ」
「維新後東京へ行って邏卒を志願したそうだ。