Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
Lesen Sie 林芙美子随筆集 (いなかがえり) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.157 Zeichen · 118 Bildschirme
巴里には上手に干した塩魚がなかった。
芝居も活動も子供の時からきらい。母親と女中だけは近所の活動へこまめに出かけて行く。――絵を描くことは私の仕事の二番目で、石油の中で、固くなっている筆を洗っている時は、むずかしい顔をしたことがない。小林秀雄、永井龍男両氏に、絵をあげる約束をしているので、その絵のことを考えていることは何とも云えない。私は静物はあまりうまくない。素人にしてはのイキだそうだけれども、その辺がちょうど面白いところで、描いていると、美しい色をつかっている絵描きがうらやましくなって来る。
マチス、モジリアニが好きで、色刷りを時々出して眺めている。この間は、萬鉄五郎氏の絵を二枚もとめた。萬さんのような仕事をしたいものだと、その絵を見るたびにシゲキさせられるのだけれども、私はなまけもので仕方がない。自分の行末、自分の書くもの、皆々よく判っているけれども、雨か風でもきびしくあたってこないことには、このなまけものは、なかなか腰をあげそうにもないのだ。今年は何も書きたくない。私はいま世界地図を拡げて、印度へ行く事を計画している。秋頃には、欧洲へ行った時のように、気軽に船出したいものだと思っている。