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Japanische Klassiker mit Furigana

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そめきちのしゅぼん

染吉の朱盆

国枝 史郎

Lesen Sie 染吉の朱盆 (そめきちのしゅぼん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.824 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

と職人が叫ばなかったこと。

だが、それから数日経ち、例の屋敷の玄関へ、例の醜男が現れて、朱盆の有無をたしかめたのは、以前と全く同じであり、その応待も同じであった。

次ぎの一ヶ条だけは違っているが――。

(一)金短冊に書かれてあった文字が「我名はまだき」とあったことである。

二

これが四回も続いたのである。

で、その結果はどうなったか? 手代風の男が四人殺され、朱塗の盆が四枚がところ、※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)たけた令嬢の手に這入り、短冊の文字を集めると、

「恋すてふ、我名はまだき、立ちにけり、人しれずこそ」

となったのである。

令嬢の名は縫様、以来お縫様憂鬱になった。

四枚の朱盆を前へ並べ、こんな独言をいうようになった。

「ああもう一枚ほしいものだ。そうするとすっかり揃うのに。――恋すてふ我名はまだき立ちにけり人知れずこそ……足りないわねえ。『思ひそめしが』ともう一句、それを記した盆がほしい。それにしても、どうして私の屋敷へ、こんなにも立派な四枚の盆を、誰が何のために投げ込んだのだろう? ――そうしてあの男は何者だろう? 盆の有無しを確めに来ては、持っても行かずに行ってしまう。