Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えいぞうのし
栄蔵の死
宮本 百合子
Lesen Sie 栄蔵の死 (えいぞうのし) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.295 Zeichen · 77 Bildschirme
けれ共、勿論働く方法も見つからなかった。栄蔵は、一思いに、体の半分が無くなった方がどれほど楽か分らないと思うほど、刻一刻と世の中が暗くなる「そこひ」と云う因果な病にかかった事を辛がった。道を歩くにもすかしすかししなければ行かれないほどになってからは、自分でも驚くほど、甲斐性がなくなり、絶えず、眼の前に自分をおびやかす何物かが迫って居る様に感じだした。
物におどおどし、恥しいほど決断力も、奮発心も失せてしまった。
貧と不具にせめさいなまれて、栄蔵の神経は次第に鈍く、只悲しみばかりを多く感じる様になった。
今度お君を自分の妹の家へやるについても、栄蔵の頭には、これぞと云った父親らしいまとまった考えは何一つなかった。
只、母親のお節が、狭い村中の母親共に「ほこり」たいため、チンとした花嫁姿が一時も早く見たかったため殆ど独断的に定めてしまったと云ってもいいほどである。
気心の知れない赤の他人にやるよりはと云い出したお節の話が、お節自身でさえ予気して居なかったほど都合よく運んで、別にあらたまった片苦しい式もせずに、お君は恭二の家のものになってしまった。
田舎に居て、東京の様子に暗い夫婦は、血縁と云うものが、この世智辛い世の中で働く事を非常に買いかぶって、当座は大船にでも乗った様な気で居た。