Japanische Klassiker mit Furigana
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うめづしえんおうでん
梅津只円翁伝
杉山 萠円
Lesen Sie 梅津只円翁伝 (うめづしえんおうでん) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.582 Zeichen · 130 Bildschirme
その時代の事に就いて六平太氏は筆者にもこんな追懐談をした。前記の只圓翁の心用意を裏書きするに足るであろう。
「只圓は私を教えてくれた他の故老たちと違って、傲った意地の悪いところが些しもなく、極めて叮嚀懇切に稽古をしてくれましたよ。不審な点なぞも勿体ぶらずにスラスラと滞りなく説明してくれました」
なお六平太氏は只圓翁について語る。
「色々思い出す事も多いですが、只圓は字が上手でしたからね。私から頼んで家元に在る装束の畳紙に装束の名前を書いてもらいました。只圓は装束の僅少な田舎にいたものですから大した骨折ではないとタカを括って引受けたらしいのです。ところが、口広いお話ですが家元の装束と申しましても中々大層なものでね。先ず唐織から書き初めてもらいましたのを、只圓は何の五六枚と思って墨を磨っていたのがアトからアトから際限もなく出て来る。何十枚となく抱え出されるので余程驚いたらしいですね。閉口しながらウンウン云って書いておりましたっけ」
「酒は好きだったらしいですね。私は七五三に飲みますと云っておりました。多分朝が三杯で昼が五杯で晩が七杯だったのでしょう。小さな猪口でチビチビやるのですからタカは知れておりますが、それでも飲まないと工合が悪かったのでしょう。