Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくろうのめ
梟の眼
大倉 燁子
Lesen Sie 梟の眼 (ふくろうのめ) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.354 Zeichen · 23 Bildschirme
ダイヤが欲しいのよ、と、口先にまで出かかったのを、ぐっと押えて、陽子は唇を噛んだ。それは云ってはならぬことであった、こんなにまで欲しがっていると知ったら、この妹思いの春樹が、黙ってみているはずはない。どんな無理をしても、きっと、ダイヤを持って来てくれるに定っている、その無理が――、彼女には恐しかった。
「お兄さんも舞踏会に行らっしゃるんでしょう? 西洋婦人が沢山来るそうですから、さぞ、奇麗なことでしょうねえ」と云った。
「米国人が半数以上だっていうから、ダイヤが踊ってるようだろうよ。君なんか、宝石をつけて行かない方がいいぜ。ケチな指輪をはめて行っちゃ、反ってみすぼらしいからな」
兄の言葉もまるで耳に入らないように、陽子はじいッと考え込んでいたが、何を思ったのか、急に元気づいて、起ち上り、
「どうせ買えないから、と思って断念めたんだけれど、――お兄さん、私、これから三越へ行くわ。あそこは月末払いだから、――その時はその時の事で、どうにかなるわ。ほんとにうまいところに気がついた。三越へ行って、――ダイヤを見て来る。定めた!」
「馬鹿! 止せッて云ったら――、小ッぽけなダイヤなんかみっともないぞ――」