Japanische Klassiker mit Furigana
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かんおけのはなよめ
棺桶の花嫁
海野 十三
Lesen Sie 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.845 Zeichen · 86 Bildschirme
ミチミは、すこし後れて家から出てきた。二人は停留場の方へブラブラと歩きだした。彼は、ミチミの方を振りかえった。彼女は目だたぬほどの薄化粧をして、薄く眉をひいていた。それはどこからみても十七歳の女学生にしか見えなかった。彼女は、杜に見られるのを恥かしがり、頬をわざと膨らまし、そして横目でグッと彼の方を睨んだ。杜にはそれがこの上もなく美しく、そしてこの上もなくいとしく見えて、ミチミの方へ身体を摺りよせていった。
「ああ、また――」
ミチミは、低声でそう叫ぶなり、彼とは反対の方角に身を移した。彼女はいつでも、そうした。ミチミが袴をはいて学校に通うとき、杜は一度として彼女と肩を並べて歩くのに成功したことがなかった。
「誰も変な目でなんか、見やしないよ。君は女学生だから、傍を通る人は、僕の妹に違いないと思うにきまっているよ。だからもっと傍へおよりよ」
彼は不平そうに、ミチミにいった。ところがミチミは、頬をポッと染め、
「あら嘘よ。ピッタリ肩をくっつけて歩く兄妹なんか居やしなくってよ」
といって、さらに二倍の距離に逃げてゆくのであった。
二人は停留所で、勤め人や学生たちに交って、電車を待った。