Japanische Klassiker mit Furigana
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かんおけのはなよめ
棺桶の花嫁
海野 十三
Lesen Sie 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.845 Zeichen · 86 Bildschirme
四人の女生徒は棺桶を担いで近づいた。しかし彼女たちは一向芝居に気ののらぬ様子で、なにか口早に囁きあいながらシーザーの棺を壇の方へ担いできた。先生の眼が、けわしく光った。
やがて棺は下におろされた。
アントニオが壇上で大きなジェスチュアをする。
「おお、ローマの市民たちよ!」
と、前田マサ子がここを見せどころと少女歌劇ばりの作り声を出す。
そこで棺の黒布がしずかに取りのぞかれる。……
――と、シーザーならぬ小山ミチミが棺の中に横たわっているのが見える――
という順序であったが、棺の蔽いを取ってみると、意外にも棺の中は空っぽだった。
「おお、これはどうしたッ」
「アラ小山さんが……」
一同は肝を潰して、棺のまわりに駈けよった。
「……あのゥ先生、棺をもちあげたとき、あたし変だと思ったんですのよ。だって、小山さんの身体が入っているのにしては、とても軽かったんですもの」
「ええ、あたしもびっくりしたわ」
「でも、担いでしまったもんで、つい云いそびれていたんですわ」
講堂入口をみたが、扉はチャンと閉まっている。さっき棺桶を置いてあった長椅子の蔭をみたが、さらに小山ミチミの姿はなかった。