Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しいのき

椎の木

豊島 与志雄

Lesen Sie 椎の木 (しいのき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.870 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

近日中に逢わしてやろう。その時は、牧野君もいっしょに来てくれないか。一人でも多く立合った方が、互の打撃が少いかも知れない。うまくいったら、あとでゆっくり逢えばいい。まあなるようになるだろう。人の運命というものは、大きな深い河に流されてるようなもので、自然の勢に任せるより外はない――とそういうことを、竹山の母親は云った。そうだ。こうなってみると、あの母親が一番えらいような気がする……。」

その時、小鈴が不服そうな顔をして云った。

「だけど、いくじがないわね。」

「そりゃあ、君たちみたいな稼業をしてる人とはちがうさ。」

「それもそうだけれど……。」そして彼女は一寸考えた。「おかしいわ、あの竹山のお父さんの方、どうして、前の奥さんには逢おうと云わないんでしょう。あれでも、極りがわるいのかしら。」

「そんなことはないさ。だが、実はそれなんだ、問題は……。細君にはどうでもいいが、子供には逢いたい……そこが何だかちがってる。」

言葉がとだえると、良一は落付けなかった。それをみて、小鈴は酒をすすめた。

「そうだった、今日は僕の回復祝いだ。出かけよう。知ったところをみんな廻ってやるんだ。