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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんこうふじん

楠公夫人

上村 松園

Lesen Sie 楠公夫人 (なんこうふじん) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.234 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の思う絵を、私は機運がくると、たちまちそれの鬼となって、火の如き熱情を注いで――これまでにずいぶんと数多くの制作をして来た。

展覧会に発表したそれら大作の数だけでも一百枚にのぼるであろう。

描きたい絵はまだまだ沢山ある。展覧会に出品する画材は、前もって発表するということは興を削ぐので、それだけは私の胸中にそれを制作する機運の来るまで発表は出来ないけれど、いまここで語っていいものに楠公夫人の像がある。

三年ほど前に神戸湊川神社の宮司が私の宅に見えて、

「楠公夫人の像を描いて奉納してもらいたい」

と言われた。

これには訳のあることで、実は――と宮司の語られるところによれば、

「湊川神社に社宝ともなるべき新しい絵がないので、そのことを横山大観先生に話したところ、大観先生は、それでは自分は楠公の絵をかいて奉納しよう、と仰言って、すぐ制作にかかられ、先年立派な絵が完成し社への奉納式もすんだのであるが」

楠公の絵がある以上夫人の像も是非おきたいものである――との声が上って来たので、それで御無理を申しに来た次第である、とことの次第を話されたので、私は楠公夫人の偉大なる人格に敬服しているところでもあり、一は彩管報国の念やみ難いものを抱いていた矢先だったので、即座に承諾したのであった。