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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.073 Zeichen · 223 Bildschirme

Aozora Bunko

「それはいまなんとも云えません」

「私はぜひうかがいたいのです、それによって私も、国老就任を受けるかどうかを、きめるつもりです」

「それはおかしい」と甲斐はあげていた手を膝へおろした、「どんな理由があるかわからないが、私の意見によって国老になるかならぬかをきめる、というのは少しおかしくはないだろうか」

「貴方はわざとわからないふうをしていらっしゃる」

「なにをです」

「私がなぜ貴方の御意見をうかがいに来たかということをです」

「伊東どのはなにかお考え違いをしておられるようだ」と甲斐は云った、「私にどんな意見があったとしても、古参の国老が多くいるのに、新任の私などにどれだけ発言権があるか、おわかりだと思うが」

「一ノ関といううしろ楯があってもですか」新左衛門はそう云って、きらっと眼を光らせた。

自分は松山で茂庭周防どのから、およその事情を聞いている。貴方が一ノ関の帷幄にはいって、内部からその非謀を破却する。つまり兵部少輔の力をかりて兵部少輔を抑える、という立場に立たれることを、と新左衛門は云った。

甲斐は眼をそむけ、新左衛門はなお云った。

貴方がそういう困難で微妙な立場に立たれるとすれば、自分が国老になったばあい、しぜん対立関係になることもあろう。