Japanische Klassiker mit Furigana
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きかんしゃ
機関車
佐左木 俊郎
Lesen Sie 機関車 (きかんしゃ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.808 Zeichen · 12 Bildschirme
「僕、急に結婚をすることになってね。考えて見ると、やはりいつまでも独身でこうしちゃいられないから。それで、結婚をすると、機関庫の事務所の方じゃ、変に気をきかして、泊まりの列車には容易に乗務させてくれないんですよ。そればかりでなく、結婚した当座は、夜行列車にも乗務させないし、もうここへ来る機会が無くなるもんだからね。来ても、すぐ引き返す列車にばかり乗務させられるようになるだろうと思って……」
「それは、わざわざ済みませんでしたわ。」
彼女は軽く頭をさげるようにしながら、寂しい低声で言った。彼女には初めての経験であった。誰もこうしてわざわざ別れを告げに来た男は、これまでに一人だって無かったのだ。
「僕、今夜は、ゆっくり話して、お互いに、心残りの無いように別れて行きたいんだが……」
「え、ゆっくり話しましょう。」
「これはね、お別れのしるしだ。少ないけど、僕だって貧乏人なのだから、これで勘弁してくれ。ほんのしるしだけだ。」
吉田はそういって、そこへ幾枚かの拾円札を掴み出した。彼女は驚きの眼をって、彼の顔を視詰めた。
「僕の気持ちだから、取って置いてくれ。ちょうど十枚あるはずだが、ほんとうは、あなたの病気がしっかりよくなるまで暮らしが出来るぐらいの金をあげたかったんだが、併し、なるべくその金の無くなるまで、ちゃんと直って