Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
「あんな女って、お内儀だろう。父さんがあの人にあやまってはいけないのかい。」
「だって――」
次郎は適当な言葉が見つからなかった。俊亮は、しばらく答をまつように次郎の顔を見ていたが、
「次郎。」
と、あまり高くはない、しかし、おさえつけるような声で、言った。
「自分に落度があったら、相手が誰であろうと、あやまるのが道だ。相手次第で、あやまったり、あやまらなかったりするようでは、まだほんとうに自分の非を知っているとはいえない。そりゃあ、お前が父さんにあやまらせたくない気持は、よくわかる。だが、あんな女だからあやまらせたくないというんだと、少し変だぞ。」
次郎は、俊亮の言った意味はよくわかった。しかし、春月亭のお内儀に父を謝罪させる気にはまだどうしてもなれなかった。
「でも――」
と、彼は少し口をとがらして、
「父さんには、ちっとも悪いことないんです。」
「うむ。……しかし、それはお前の考えることだ。むろん、お前はそう考えてもいい。だが、店のことは何もかも私の責任だからね。」
「だって、あれは肥田がつかった金の代りだっていうんじゃありませんか。」
「肥田は私の番頭だったんだ。