Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
三人とも行くんじゃよ。」
村の人たちの声には、どこかおずおずしたところがあった。
「かわいそうですよ、今から起してつれて行くのは。ことに一人はまだ小さい一年生ですから。」
「何でもええから、つれてゆくんじゃよ。つれてゆかねえじゃ、おらたちの務めが果たせねえでな。」
しばらく沈默がつづいた。その沈默を破って、次郎が藁の中から叫んだ。
「大沢さん、僕たちも行きますよ。」
「そうか。……じゃあ、すまんが起きてくれ。どうも仕方がなさそうだ。」
大沢が、あきらめたように答えた。
二人が起きて行くと、村の人たちは、めいめいに大きな棒を握って、大沢をとりまいていた。三十歳前後から十五六歳までの青年がおよそ十四五人である。しかし、恭一の品のいい顔と、次郎の小さい体とを見ると、案外だという顔をして、少し構えをゆるめた。
年長者らしいのが、提灯で恭一と次郎の顔をてらすようにしながら、
「おらたち、村の見張りを受持っているんでな。気の毒じゃが仕方がねえ。」
と、言訳らしく言って、
「じゃあ、ええか。」
と、みんなは目くばせした。
外に出ると、青年たちは、三人の前後に二手にわかれて、ものものしく警戒しながら歩き出した。