Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
と言った。お芳は、そのいずれにもあいづちをうっただけだったが、お祖母さんの態度がいくらかずつ次郎に対して柔らいで行くのを見て、内心喜んでいるようなふうだった。
次郎のほんとうの気持を多少でもわかっていたのは、恭一だけだったが、彼自身がどちらかというと非活動的であり、内面的な傾向をもっているだけに、次郎のそうした変化によって、お互いの親しみが一層増してゆくような気さえしていた。
次郎のことを、最も真面目に心配し出したのは、あるいは大沢だったかもしれない。彼はある日、恭一に向かって言った。
「次郎君が考えこんでばかりいるのを、ぼんやり眺めているのは、いけないよ。あんなふうでは、次郎君の特長は駄目になってしまう。」
「しかし、どうすればいいんだい。」
恭一は、大して気乗りのしない調子でたずねた。
「たまには、喧嘩の相手になってやるさ。」
「次郎は、しかし、もう喧嘩はしないよ。しないって誓っているんだから。」
「それがいけないんだ。子供のくせにひねこびた聖人君子になってしまっちゃあ、おしまいじゃないか。」
「でも、うちじゃあ、やっと喧嘩をしなくなったって、みんな喜んでいるんだからなあ。