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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme

Aozora Bunko

五 誤解する人

それから、朝倉先生も、君に話があると言っていられる。」

次郎は、朝倉先生ときいて、急に胸がどきついた。それはこわいともうれしいともつかぬ、そして妙にひきしまるような愛情の鼓動だった。

五 誤解する人

小田先生の姿が教室から消えると、生徒たちは、くちぐちに、次郎に同情の言葉をなげかけた。とりわけ新賀は、次郎の机のそばにやって来て、真剣に彼を励ました。

「ホウキョウ・ホウシュンが、きっと自分勝手な理窟をつけて、朝倉先生に言いつけたんだよ。かまうもんか、君にちっとも悪いことなんかないんだから。……朝倉先生にだって誰にだって、びくびくするな。先生の方で君が悪いと言ったら、僕きっと君に応援するよ。」

次郎は默ってうなずいた。そしてすぐ弁当をひらいたが、彼の気持はかなり複雑だった。

朝倉先生には、室崎との事件以来、めったに会ったことがない。言葉を交す機会など、まるでなかった。それでも、彼の心に生きている先生は、いつも新鮮だった。たまたま廊下などですれちがったりすると、彼は処女のように顔をあからめて敬礼した。先生は、それに対して、ただうなずくだけだったが、その微笑をふくんで澄みきっている眼が、何かとくべつの意味をもって彼を見ているように彼には感じられるのだった。