Japanische Klassiker mit Furigana
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しのふくしゅう
死の復讐
国枝 史郎
Lesen Sie 死の復讐 (しのふくしゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.539 Zeichen · 16 Bildschirme
全体どうして親の代からそれほど不和かと申しますに、実は私も――恐らくイサクも、解かって居ないのでございます。他人の噂によりますと、ずっとの昔、親々の代に、イサクの父親が私の父の田地を誤魔化したのが喧嘩の元だと、斯様に一人が云うかと思うと、又或人はそれとは反対に、私の父親がイサクの父の山林を無断で伐截したのが喧嘩の元だと申します。どちらが本当でどっちが嘘か、私も知らずイサクも知らず、恐らく私達の親々も明瞭とは知らずに只無闇にいがみ合ったのではあるまいかと、斯様に思うのでございます。ところが此処に困ったことには私達両家の此不和を、益々不和に導くような或事情があったのでございます。それは外でもありません、私達両家だけが部落と離れてたった二軒だけ、小丘の下に、加之向かい合って立っていることで、これが普通の仲でしたら、お互に寂しいのが媒介となって却って親しくなるのですけれど、いがみ合っている仲だとすると絶えず姿を見ているだけ憎みも怨みも益々溜まって、不和が一層不和になり、終いの果てには衝合り合う。ところが私達の仲と来たら憎悪に充ち充ちて居りながら面と向えばお互同士決して感情を表へ出さずに互に世辞の云い合いをして別れて了うのでございます。