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Japanische Klassiker mit Furigana

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しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

Lesen Sie 死までを語る (しまでをかたる) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.739 Zeichen · 85 Bildschirme

Aozora Bunko

鏡で、自分で見ると、何処にも、そんな所はないが、人が見ると、いろいろに見えるものと見える。

三十二

学校の思い出は殆ど無い。

中学以来、学校は下らないものだと考えていたのが、確実になっただけである。

親でもなく、叔父でもなく、主人でもなく、先輩でもなく、先生という一つの尊敬と、なつかしさとをもった人格は、確かに、立派な存在であるが、私は、故郷をもたぬように、そうしたなつかしい先生をもたない。中学の木村寛慈先生が、ややそれに近いだけで、時々、先生はいい仕事だとおもうが、そういう人に逢った事はない。

小中学で、本当に、智慧なり、人格なりに、影響を与えてもらった人だったろう。恐らく、親よりもなつかしいと思われるが、そうした教育者は少いらしい。

大阪という土地は、故郷という気のしない所であるし、小中大学に、学校のなつかしさの無い人生は、相当に淋しいものである。

私のように、その精力以上に、働いている者は、時として、故郷というような所で、深い安息を求めたい気がする。

私は、新居へ移ると共に、私の部屋へ引っ込んで、自分で炊事できるだけの道具――土釜、土鍋、七輪の類をととのえた。