Japanische Klassiker mit Furigana
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しけいのまえ
死刑の前
幸徳 秋水
Lesen Sie 死刑の前 (しけいのまえ) von 幸徳 秋水 (こうとくしゅうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.243 Zeichen · 23 Bildschirme
こう見てくれば、死刑は、もとより時の法度にてらして課されたものが多くをしめているのは、論のないところだが、なんびとかよく世界万国有史以来の厳密な統計をもとにして、死刑はつねに恥辱・罪悪にともなうものだと断言しうるであろうか。いな、死刑の意味する恥辱・罪悪は、その有している光栄もしくは冤枉よりも多いということすらも、断言しうるであろうか。これぞ、実に一個未決の問題である、とわたくしは思う。
故に、今のわたくしに、恥ずべく、忌むべく、おそるべきものがあるとすれば、それは、死刑に処せられるということではなくて、わたくしが悪人であり、罪人であるということにあらねばならぬ。これは、わたくし自身が論ずべきかぎりではなく、また論ずる自由をもってはいない。ただ死刑ということ、そのことは、わたくしにとって、なんでもない。
思うに、人に死刑にあたいするほどの犯罪があるであろうか。死刑は、はたして刑罰として当をえたものであろうか。古来の死刑は、はたして刑罰の目的を達することにおいて、よくその効果を奏したか、ということは、学者のひさしくうたがうところで、これまた、未決の一大問題として存している。