Japanische Klassiker mit Furigana
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しけいのまえ
死刑の前
幸徳 秋水
Lesen Sie 死刑の前 (しけいのまえ) von 幸徳 秋水 (こうとくしゅうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.243 Zeichen · 23 Bildschirme
栄養である。生活である。これによれば、人はどこまでも死をさけ、死に抗するのが自然であるかのように見える。されど、一面にはまた種保存の本能がある。恋愛である。生殖である。これがためには、ただちに自己を破壊しさってくやまない、かえりみないのも、また自然の傾向である。前者は利己主義となり、後者は博愛心となる。
この二者は、古来氷炭相容れざるもののごとくに考えられていた。また事実において、しばしば矛盾もし、衝突もした。しかし、この矛盾・衝突は、ただ四囲の境遇のためによぎなくせられ、もしくは養成せられたので、その本来の性質ではない。いな、彼らは、完全に一致・合同しうべきもの、させねばならぬものである。動物の群集にもあれ、人間の社会にもあれ、この二者のつねに矛盾・衝突すべき事情のもとにあるものは滅亡し、一致・合同しえたるものは繁栄していくのである。
そして、この一致・合同は、つねに自己保存が種保存の基礎であり、準備であることによっておこなわれる。豊富なる生殖は、つねに健全なる生活から出るのである。かくて新陳代謝する。種保存の本能が、大いに活動しているときは、自己保存の本能は、すでにほとんどその職分をとげているはずである。