Japanische Klassiker mit Furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Lesen Sie 残されたる江戸 (のこされたるえど) von 柴田 流星 (しばたりゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.677 Zeichen · 80 Bildschirme
畢竟若鮎の走りを賞すること、たとえばピンとはねて瀬をも流れをも溯るべく、兼ねては水の清冽なるを愛して、濁りに棲まぬその性にある。
余の人々は如何あろうか、吾儕元よりその意を知らず、ただ江戸ッ児に至っては、ひたぶるにその性を愛して自ら彼の清きにおらんとするからである。
さるにても近頃の多摩川漁夫、或は密漁を企て、生洲飼いをなし、客を見て獲物の多寡を加減するなぞ、江戸ッ児には癪にさわることばかり、これでは折角の鮎が估券を堕しはせぬかと、そんじょそこらの兄哥がいい心配をしておる。
縁日と露店
縁日趣味、露店趣味は江戸ッ児にして初めてこれを完全に解し得るもの。月の三十日が間、唯の一日都大路の何処にも縁日がないという晩はなく、苟も天気模様さえよければ、からッ風の吹く寒い夜でも、植木屋が出て、飴屋が出て、玩具屋が出て、そして金物屋、小間物屋、絵草紙屋、煎豆屋、おでん屋、毛革屋、帽子襟巻手袋屋、金花糖屋、更に夏なれば虫屋、風鈴屋、簾屋、茣蓙屋、氷屋、甘酒やなど、路の両側に櫛比して店を拡げ、区劃を限って車止めの立札の植てられる頃より、人出は夜と共に弥増しに増して、競り屋の男は冬でもシャツ一枚の片肌脱ぎ、「さッこれいくら……」