Japanische Klassiker mit Furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Lesen Sie 残されたる江戸 (のこされたるえど) von 柴田 流星 (しばたりゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.677 Zeichen · 80 Bildschirme
よし旦那にして御意遊ばさぬとしてからが、ねえ貴方や! と、おねだりの出るのは定で、いずれにしてもその続きか然らずは音羽屋の弁天小僧、成田屋の地震加藤なんど、どのみち一つ二つの仰せは承わられる。芸が身を喰う生業なればか、ここに至って本人無上の光栄に感じ、慾徳を離れての熱心は買ってやるところなるべし。
十五夜と二十六夜
秋の月見は八月の十五夜、今も都は芋芒を野にもとむるに及ばず、横丁の八百屋におさんを走らすれば、穂芒の多少は好み次第、里芋も衣かつぎ芋も、栗も、枝豆も、走りを賞する人々が客なる商売物、何一つ揃わぬことなく、月見団子の餅の粉まで、乾物屋へ廻らずともなので、宵には万の供物もととのい、二階座敷に打ちつどうての月待ち、武蔵野の月は昔に瓦屋の唐草を出て唐草に入るまで、さ霧の立ちこむる巷に灯影淡く、折々は人を休むる雲の光りを奪うとも、一楼の明月に雨はじめて晴ればれと、且つ語り且つ喰うて枝豆をつくし、栗を殻ばかりにして、衣かつぎ芋の蛻、遠慮のかたまり二つ三つと共に器に山を築く。
「オヤ、ま随分だわねえ。もう皆んなよ」と娘まず驚けば、「そんなに喰べて、お嫁にでもいってたら離縁ものだよ」