Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さつじんめいろ

殺人迷路

江戸川 乱歩

Lesen Sie 殺人迷路 (さつじんめいろ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.041 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

目はキョロキョロとして据わりがなかった。非常な驚き、何とも云えぬ恐怖、そして底知れぬ不安の情が、まざまざと彼の顔に刻まれていた。幸いにも、手掛の発見に夢中になっている人々は、それを気附きはしなかったけれど。

「これです。男の靴の跡が、可成りハッキリ出ているでしょう」

署長がそれを指さしながら三人を顧みた。問題のドアの内側は三尺四方程の狭い土間になっていて、そこの土に、なる程三つ四つ靴跡が残っている。

「靴跡は男のものが一種だけしかないようですね。被害者の女の足跡はどうしたんでしょう」

津村記者が土間を見廻しながら不審をうった。

「被害者の方は表口から入ったというような形跡はなかったのですか」

正岡警部も尋ねる。

「イヤ、表口には疑わしい足跡が発見されなかったのです。つまり、被害者はここで殺されたのではなくて、已に死体となった女を、犯人が何かの都合で、この空家へかつぎ込んだということになります……死因は外見上何の痕跡もないとすれば、先ず毒殺と見なければなりますまいね。……正岡君、我々の方ではこんな風に見当をつけているんだが」

署長はそう云って、名探偵の顔色を読むようにした。