Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
Lesen Sie 母子叙情 (ぼしじょじょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.355 Zeichen · 153 Bildschirme
もしこの上、この母親に不甲斐ない様子を見続けるなら、
「ぐずぐずしているなら、あなたのあんないいむす子さん奪っちまいますよ」と云ってやり度い位だった。
だが夫人は、かの女のそういう心の張りを外の方へ受けて行った。
「失礼ですけれど、あなたはそんなむす子さんがおありのようにお見受け出来ません。あんまりお若くて」
かの女はこの際「若い」と云われることに甘暖かい嫌悪を感じた。
今までの款待の上に女中がまたメロンを運んで来た。すると夫人は、またその方に心を向けてしまって、これは近所で自慢に作る人から貰ったとか、この片が種子が少いとか、選り取るのに好意を見せて勧めにかかった。
そんなことにばかりくどくかかずらっている母親にかの女は落胆して、もうどうでもいいと思った。自分の息子が大事だ。人のむす子やその母親のことなど、心配する贅沢はいらないと思った。しかし規矩男のぶすぶす生燃えになっているような魂を考えると、その母をも、もう少し何とかしてやりたいと諦め兼ねた。窓の外の木々の葉の囁きを聴き乍ら、かの女は暫く興醒めた悲しい気持でいた。すると何処かで、「メー」と山羊が風を歓ぶように鳴いた。