Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ははいぬ

母犬

小川 未明

Lesen Sie 母犬 (ははいぬ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.747 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

どこから、追われてきたのか、あまり大きくない雌犬がありました。全身の毛が黒く、顔だけが白くて、きつねかさるに似て、形は、かわいげがないというよりは、なんだか気味悪い気がしたのであります。だから子供たちは、この犬を見ると、石を拾って投げつけたり、なにもしないのに、追いかけたりしました。犬はますますおどおどとして、人の顔を見れば逃げるようになりました。

ペスやポチは、みんなからかわいがられているのに、なぜ、この犬だけ、みんなからきらわれるのだろうかと、敏ちゃんは、ふと、犬を見たときに考えたのでした。自分だって、このあわれな犬をいじめたことがあるのですが、考えると、わるいことをしたような気がしたのでした。

「こんどから、僕は、もう、あの犬をいじめないことにしよう。」と、敏ちゃんは、思いました。

ところが、偶然にも、ある日、敏ちゃんのうちのお勝手もとへ、その顔だけ白い犬がやってきてのぞきました。よほど、おなかがすいていたとみえて、なにかたべるものをさがしていることがわかりました。

「まあ、なんて、気味のわるい犬でしょう。」と、女中がいって、水をかけようとしたのを敏ちゃんは、やめさせました。