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Japanische Klassiker mit Furigana

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ははいぬ

母犬

小川 未明

Lesen Sie 母犬 (ははいぬ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.747 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、

「まっておいで!」と、犬に向かっていいながら、奥へ入って、昨夜、食べ残してあったパンを持ってきました。

パンは、もう堅くなっていましたが、このおなかのすいた犬にとっては、どんなにかおいしいごちそうであったでしょう。犬は、敏ちゃんの、しんせつにいってくれた言葉がわかったようにじっとして、待っていました。

「さあ。」と、いって、敏ちゃんはパンの一切れを犬に投げてやりました。

犬は、喜んで食べると思いのほか、それを口にくわえると、あわただしく、逃げていってしまいました。

「それごらんなさい、坊ちゃん、まあ、なんて、にくらしい犬でしょう?」と、女中は、あきれました。

「ほんとうに、やな犬だね。」と、敏ちゃんもあんな犬に、なにもやらなければよかった、ああいう犬だから、みんなに、いじめられてもしかたがないのだという考えが起こったのであります。

「もう、きたって、なんにもやるものか。」と、敏ちゃんはいいました。

ある日、敏ちゃんは、学校から帰りに、この犬が、やはりなにかくわえて、わきめもふらずに原っぱをかけて、あちらのすぎ林の中へゆくのを見ました。

「どこへゆくのだろうか。