Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかくしんわがく
比較神話学
高木 敏雄
Lesen Sie 比較神話学 (ひかくしんわがく) von 高木 敏雄 (たかぎとしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.624 Zeichen · 348 Bildschirme
之を食わば、必ず死せんと。「善悪を別つの樹」とは、善悪の分別を人間に教うるの樹なり。蛇の教えし如く、目を明かにする樹なり。智慧を与うる樹なり。人間に死を与うる樹なり。樹の実を食う以前のアダム夫婦は、全く禽獣と同じく、其目明かならざれば善悪の区別を知らず。裸躰にして、その愧づ可きを知らざりしなり。然れどもまた、食を得るの困難もなく、病もなく、また死もなかりしなり。唯かの樹を食いしによりて、目明かになり、智慧生じて善悪の区別を知るに至り、裸躰の愧つ可きをも悟るに至りしなり。以前の状態に比して、非常なる進歩と云わざるを得ず。而もこの進歩は、かの二人の罪悪にして、之が為めに、後世子孫は労働の苦を甞めざるを得ず、分娩の苦痛を忍ばざるを得ず、苦みの後には、死の神の手に奪われて、此世を去らざるを得ず。二人の罪悪は不滅なり、神の咒咀は永久なり、人間は永遠にかの罰を受けざるを得ず。
然れども、飜て之を考うるに、人間の人間たる所以、其の動物に比して、万物の霊長たる所以、動物界の永久に、殆んど進歩発達の跡を示さざるに反して、独り人間のみ、日々に進歩し発達する所以は、所謂智慧の力に外ならず。