Japanische Klassiker mit Furigana
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きにいらないえんぴつ
気にいらない鉛筆
小川 未明
Lesen Sie 気にいらない鉛筆 (きにいらないえんぴつ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.701 Zeichen · 4 Bildschirme
次郎さんはかばんを下げて、時計を見上げながら、
「おお、もうおそくなった。はやく、そういってくれればいいのに、なあ。」と、お母さんや女中に小言をいいました。
「毎朝、ゆけと注意されなくても、自分で気をつけるものですよ。」と、お母さんは、おっしゃったきり、なんともいわれませんでした。
すると、次郎さんは、ぶつぶついっていましたが、
「きよ、僕が学校から帰ってくるまでに、これと同じ鉛筆を買っておいてくれね。」といいながら、かばんの中の鉛筆を出して、ちょっと見せて、銭をそこへ投げ出しました。
「自分のことは、自分でなさい。」と、お母さんが、おっしゃったけれど、次郎さんは、ききませんでした。
「きよ、買っておくんだよ。」と、次郎さんは、念を押しました。
「坊ちゃん、どこに売っているのでございますか。」
この春、田舎から出てきたばかりの、女中のきよは、たまげたように、赤いほおをしてたずねました。
「本屋にもあれば、角の文房具屋にだってあるだろう。」
次郎さんは、そういうとあわててくつをはいて、
「いってまいります。」といって、かけ出していってしまいました。
「自分のことは、自分でするものだといってもきかないのだから、かまわんでおいとくといいよ。