Japanische Klassiker mit Furigana
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みずとほね
水と骨
佐藤 垢石
Lesen Sie 水と骨 (みずとほね) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.477 Zeichen · 11 Bildschirme
だから、裏日本へ注ぐ川の方が、早く水が温まるわけになる。関東平野から、小野子、子持両山の峡谷を遠く北方へ聳え立つ谷川岳の南西は、七月の末、土用に入っても雪渓をキラキラと望むことができるのである。
だから裏山、つまり越後の方に面した方の側には、さぞ深い雪が残っているであろうと想像されるが、行ってみると案外である。越後の山の雪は既に解け、頂に近い所まで水田が開けて青い稲が真夏の風に揺られている。
これは美濃の山、飛騨の山々へ行っても同じである。
どうして、裏側の雪が早く解けるかというのは、むずかしい問題であろう。私は、漫然と気圧の関係ではないかと考えている。同じ標高の山に積もった雪ならば、裏日本に面した土地が早く解ける。これは冬とは反対に、表山の方が初夏の頃には、東南の冷たい風を受けやすく、裏川は風陰になって気温が高いからではなかろうか。また初夏の陽は、北へ回る関係上、裏側にはげしく当たるとも考えられる。そんなわけで、裏日本側の雪は、表側のように夏の土用が過ぎるまで、いつまでもだらだらとは残ってはいない。初夏の頃に一度解けて流れ出してしまうのを例としているのである。