Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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すいせん

水仙

太宰 治

Lesen Sie 水仙 (すいせん) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.364 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

さあ、それから褒めた。草田氏をはじめ、その中泉という老耄の画伯と、それから中泉のアトリエに通っている若い研究生たち、また草田の家に出入りしている有象無象、寄ってたかって夫人の画を褒めちぎって、あげくの果は夫人の逆上という事になり、「あたしは天才だ」と口走って家出したというのであるが、僕は話を聞きながら何度も噴き出しそうになって困った。なるほど薬がききすぎた。お金持の家庭にありがちな、ばかばかしい喜劇だ。

「いつ、飛び出したんです。」僕は、もう草田夫妻を、ばかにし切っていた。

「きのうです。」

「なあんだ。それじゃ何も騒ぐ事はないじゃないですか。僕の女房だって、僕があんまりお酒を飲みすぎると、里へ行って一晩泊って来る事がありますよ。」

「それとこれとは違います。静子は芸術家として自由な生活をしたいんだそうです。お金をたくさん持って出ました。」

「たくさん?」

「ちょっと多いんです。」

草田氏くらいのお金持が、ちょっと多い、というくらいだから、五千円、あるいは一万円くらいかも知れないと僕は思った。

「それは、いけませんね。」はじめて少し興味を覚えた。貧乏人は、お金の話には無関心でおれない。