Japanische Klassiker mit Furigana
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みずあかをぎょうしす
水垢を凝視す
佐藤 垢石
Lesen Sie 水垢を凝視す (みずあかをぎょうしす) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.841 Zeichen · 10 Bildschirme
一
一
鮎が水垢をなめて育つのは誰でも知っている。人間に米や麦が必要であるのと同じようなものだ。
しかし、水垢のないところでも、鮎は育つ。田圃の用水にも、溜池にも棲んで大きくなる。甚しいのになると、相州小田原在山王川のような溝川にさえ、盛んに鮎が溯上して来て育っている。だが、水垢のない川に育った鮎には香気がない。そして、肉がやわらかでおいしくないのである。鮎という形を備えているのみで、食味としては劣等品である。
二寸、三寸の小さい頃は主として動物質の餌を食べているが、溯上の途中に立派な水垢を発見すれば、それに食い馴染む。興津川や酒匂川、安倍川のように瀬が直ちに海へ注ぐ川は、川口にまで転石が磊々としている。それには必ず水垢がついている。三月中旬から河へ向って、海から来た鮎は直ぐその水垢を発見してなめはじめるのである。だから三四月頃の小さい鮎の腹を解剖して見ると、動物質の餌の外に、必ず水垢が胃袋や、腸の中に入っているのを発見する。
大きな川の鮎は、それとは異う。利根川、荒川、那珂川のように河口から上流数里乃至二三十里の間に潮の影響のある川は、川底が小砂であるから水垢がつかない。