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Japanische Klassiker mit Furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme

Aozora Bunko

見たところはせいぜい十七、八のあどけない若粧りであるが、彼女がまことの暦は二十歳をもう二つも越えていた。

「ほんとうにお暑うござんすね」と、小女のお君は団扇の手を働かせながら相槌を打った。

「暑いせいか、木戸も閑なようですね」

「あたりまえさ。この暑さじゃあ、大抵の者はうだってしまわあね。どうでこんな時に口をあいて見ているのは、田舎者か、勤番者か陸尺ぐらいの者さ」

手拭で目のふちを拭いてしまって、お絹は更に小さいふところ鏡をとり出して、まだらに剥げかかった白粉の顔を照らして視ていた。

「中入りが済むと、もう一度いつもの芸当をごらんに入れるか、忌だ、いやだ。からだが悪いとでもいって、お若のように二、三日休んでやろうかしら」

「あら、姐さんが休んだら大変ですわ」と、お君はびっくりしたように眼を丸くした。

「お若さんが休んでいるのはまだいいけれど、姐さんに引かれちゃあ、まったく大変だわ」と、茶碗に水を汲んで来た他の若い女が言った。「あたし達は、ほんの前芸ですもの」

「前芸でたくさんだよ、この頃は……。ほんとうの芸当はもう少し涼風が立って来てからのことさ。この二、三日の暑さにあたったせいか、あたしは全くからだが変なんだよ」